モジュールT 平和構築概論

1.ねらい

 平和構築について全般的かつ基本的な理解をすることが目的である。平和構築の概念、歴史、方法、などについて体系的に学ぶことによって、平和構築の全体的なイメージを得ることができるように設定してある。また同時に、平和構築政策の立案にあたっての留意点についても、説明を行っていく。さらにワークショップでは、平和構築活動を総合的に立案していくための視点を養うことを目指す。

2.到達目標

  • 平和構築の内容を理解する。
  • 平和構築の方法を理解する。
  • 平和構築政策立案における考え方を実践的に会得する。

3.構成と各ユニットの概要

  • ユニット1: 平和構築活動の概念と歴史
  • ユニット2: 平和構築の方法論
  • ユニット3: 平和構築の実践

(1)ユニット1
 ユニット1では、平和構築概念の登場と今日までの変遷について学び、その内容と目的および必要性を理解する。まず平和構築という概念が何を意味しているのかについて学び、それから、現実の世界で平和構築がどのような考えに基づいて誰によって実施されているのかを、理解する。その上で、現在の平和構築活動の状況を、歴史的な文脈の中において理解することを試みる。

<構成>
1-1 平和構築と教育
1-2 紛争後社会の教育
1-3 国際的な教育支援体制
1-4 日本と広島の教育の戦後復興

<目標>
・平和構築の概念を理解する。
・平和構築の実態を理解する。
・平和構築の歴史を理解する。

(2)ユニット2
 平和構築活動を実際に実施することを目標にして、その方法論について学ぶ。まず平和構築活動立案の前提になる紛争問題の理解についてふれ、政治的・法的分野、経済的分野、文化的分野の順に、これまでに見られた平和構築活動の方法を概観しつつ、新しい平和構築の場面での活動計画立案につながる知識を得ることを目標とする。

<構成>
2-1 世界の紛争問題
2-2 政治的・法的分野における平和構築
2-3 経済的分野における平和構築
2-4 文化的分野における平和構築

<目標>
・平和構築活動の立案にあたっての考え方を理解する。
・平和構築活動の立案の仕方を理解する。
・平和構築活動の主な方法を理解する。

(3)ユニット3
 平和構築を様々な形で実践する参加者を想定しつつ、総論としての平和構築の全体的な政策立案の技能を、ワークショップで実践的に習得することを目指す。たとえば日常生活の題材を使っての平和構築政策の立案、和平合意調停のシミュレーション、平和構築支援プログラム評価、紛争分析のディスカッション、政策立案コンペティション、などのうち選択的に行う。

<目標>
・ユニット1・2に関係する平和構築活動の立案・分析・評価などの手法を実践的に会得する。